エコキュートとは?特徴やメリット・デメリットを解説!

みなさん電気ですか?
今回は、エコキュートについて詳しく解説していきます!
エコキュートについて色々な記事を書いていますが、そもそもエコキュートとは?と思いますよね。
なので今回はエコキュートについて徹底解説します。
近年、原油価格の高騰で、ガス代や電気代といったエネルギー価格も上昇しています。そのような中、少ないエネルギーで効率よく給湯できるのがエコキュートなのです!今回はエコキュートの仕組みや特徴、メリットやデメリットなどを詳しく解説していきます。

エコキュートの仕組みと特徴

エコキュートとは?

エコキュートは大気中にある熱エネルギーを利用してお湯を沸かすことができる給湯器で、正式名称は「自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯器」です。「エコキュート」という愛称は、環境に優しい「エコ」給湯の「キュート」が由来になっています。「エコキュート」は関西電力の登録商標ですが、日本で販売されている「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」の愛称として親しまれています。この項目でも、「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」のことを「エコキュート」と呼びます

エコキュートは1990年代後半に、日本で研究開発が進められました。そして、2001年に世界に先駆けて日本の住宅設備メーカーで販売が始まりました。エコキュートは少ない電力で効率よく給湯できますが、石油やガスなどの燃料を燃焼させて給湯するよりも排出する二酸化炭素量を抑えることができます。2002年には「省エネ大賞」の経済産業大臣賞に選ばれました。環境に優しいという点で、メーカーだけでなく国や自治体でも普及を促進してきました。今日では、多くの電機メーカーで製造・販売しており、2020年6月には累計出荷台数が700万台を超えました。

エコキュートの仕組み

エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクに分かれています。ヒートポンプユニットでは、ファンを回すことで外気をヒートポンプユニットに取り込み、空気中に含まれている熱エネルギーを、ヒートポンプユニット内を循環している冷媒に取り込みます。熱エネルギーは冷媒に乗って圧縮機に送り込まれます。空気は圧縮すると熱を帯び、膨張すると冷却するという性質を持っているのですが、ここで電力を使って冷媒に取り込んだ熱エネルギーを圧縮し、最高90度まで温度を上げます。

次に、熱交換器を通して高温になった熱エネルギーを貯湯タンクに送り、貯湯タンクに入っている水を温めます。冷媒の熱エネルギーはその後、膨張弁で低温になった後、再びヒートポンプユニットの外へ排出されていきます。

エコキュートの特徴

エコキュートの特徴は、環境に優しくエコであるといわれます。それは、ヒートポンプ技術を使っている、冷媒に二酸化炭素を用いている、貯湯式の給湯器であるという3つの特徴を持っているからです。ここでは、エコキュートの3つの特徴を詳しく説明します。

1️⃣ヒートポンプ技術を使っている
エコキュートは「ヒートポンプ技術」を利用しています。ヒートポンプ技術とは、冷媒を使って熱エネルギーを低温から高温にする技術です。ヒートポンプユニットでは、空気中に含まれる熱エネルギーを圧縮する動力として電力を使い、水そのものを加温するために電力を使いません。このため、ヒートポンプ技術を使うと、従来の3分の1の電力で効率よく湯を沸かすことができるのです。

2️⃣冷媒に二酸化炭素(CO2)を用いている
エアコン・冷凍庫・冷蔵庫などでもヒートポンプ技術は使われていますが、かつてのエアコンや冷蔵庫などでは冷媒にフロンが使われていました。しかし、1970年代に空気中に排出されたフロンがオゾン層を破壊することが発見されたため、より影響の少ない代替フロンを用いるようになりました。代替フロンはオゾン層を破壊しないものの、地球温暖化へ与える影響は大きいという問題を抱えていました。

2000年代に登場したエコキュートは、冷媒に二酸化炭素を用いているのが大きな特徴です。二酸化炭素はオゾン層を破壊しないことはもちろん、地球温暖化への影響も代替フロンの1700分の1にとどまっています。また、二酸化炭素は無毒で不燃性のため安全性が高いです。冷媒に二酸化炭素を使用した場合、代替フロンほど効率よく部屋の温度を下げることができませんが、圧縮により温度を上げるのは得意としているため、給湯器で採用されました。

3️⃣貯湯式の給湯器である
給湯器には瞬間式と貯湯式がありますが、エコキュートは貯湯式です。あらかじめ貯湯タンクにためておいた湯をキッチンや浴室で使用します。ガス給湯器などに見られる瞬間式の給湯器は、お湯を出し始めてから湯沸かし器の中が過熱され、徐々にお湯が出るようになります。都度使う分だけお湯を出すことができますが、蛇口やシャワーからお湯が出るまでに時間がかかります。

一方、エコキュートはタンクの中にお湯が用意されているため、すぐにお湯が出てきます。水の使用量を抑えられるという点でもエコなのです。(日立製品には異なる商品も一部ございます。)

電気温水器との違いわ?

電気温水器は1960年代後半から普及するようになった電気式の給湯器で、貯湯タンクに水をため、貯湯タンク内にある電熱ヒーターを熱して水を湯に変えます。つまり、水を湯に変えるだけの電力を要します。一方、エコキュートは熱エネルギーを圧縮するための動力として電力が使われています。そのため、電気温水器よりも少ない電力で、同じ量の水を湯に変えることができます。エコキュートの給湯にかかるコストは、電気温水器の4分の1程度となるという試算もあります。

エコキュートと電気温水器の本体価格や設置費用を見るとエコキュートのほうが高額ですが、ランニングコストはエコキュートが安くなります。また、どちらも耐用年数は10年前後です。使い方にもよりますが、長期的に見るとエコキュートのほうが負担は少なくなる場合もあります。かつては電気温水器のほうが出荷台数は多かったのですが、エコキュートが広く浸透したこともあり、現在の出荷台数はエコキュートの出荷台数のほうが多いです。

エコキュートのメリットとデメリット

エコキュートには環境に優しい以外にもメリットが多いです。一方、エコキュートを導入する際にはデメリットを把握したうえで、設置場所や機種を選んでいく必要があります。

エコキュートのメリット

なんといっても最大の魅力はランニングコストの安さです。電気温水器との比較は説明しましたが、プロパンガスの給湯器と比較すると、1カ月の給湯にかかるコストは4分の1から5分の1程度、都市ガスとの比較でも2分の1程度となり、月々の支払額に差が出てきます。また、電気料金のプランの中には需要の少ない夜間・深夜の電気代が割安になるものがあり、エコキュートではこれを利用して貯湯することで光熱費を抑えることができます。大手電力会社だけでなく、新電力会社でも夜間・深夜の時間帯の料金を割安にしたプランを選ぶことができます。
節約意識を高められるのもメリットです。タンクにためたお湯を使うため、一日の中で使えるお湯が限られているという発想が生まれます。電気料金の高い日中の生活時間帯にタンクのお湯を使い切ってたすことになると「電気を余計に使ってしまっている」「もったいない」といった感覚になります。節電はもちろん、お湯を出しっぱなしにしないなど節水への意識も芽生えます。
エコキュートの機種によっては、保温回数をどのぐらい節約できたのか、使用した湯量がどのぐらいなのかを液晶モニターで確認できるものもあります。また、オール電化住宅や太陽光発電装置のある家だと、家庭で使った電力量や発電量、その月の電気料金の目安が確認できるものもあります。こうした機能を利用することでも節約意識を高めることができるでしょう。
貯湯式だからこその良さもあります。瞬間湯沸かしタイプの温水器の場合、お風呂でお湯張りやシャワーを使いながら台所でお湯を出して洗い物ができなかったり、水圧が下がってしまったりすることがありますが、エコキュートの場合はすでにお湯が温められているので、どちらも同時に快適に使えます。また、水道のトラブルや災害などで断水が発生した場合は、エコキュートの非常用水栓を使用すれば、タンクに貯めてあるお湯を使用することができます。
安全性の面でもエコキュートはすぐれています。冷媒に使っている二酸化炭素は不燃性なので、ヒートポンプユニット内での火災はまず起こりません。また、多くのエコキュートはチャイルドロックを搭載しているので、小さなお子さんがいたずらをしてお湯を出してしまうリスクを低減できます。

中日設備YouTubeにて、災害時などの場合にエコキュートの非常用水の取り出し方をご紹介しています。
ぜひチェックしてみてください!!

エコキュートのデメリット

新たにエコキュートを設置する場合には、機器の購入費用に加えて工事費用などの初期費用が必要になります。メーカーやタンクの容量などによって価格は変わってくるので、検討が必要です。エコキュートの設置費用の相場は30万円から50万円前後ですが、この費用は、電気温水器はもちろん、ガス給湯器と比べると高額です。ただし、これまで述べたようにエコキュートはランニングコストを抑えることができるため、長期間使うほどトータルコストが下がります。
それに、エコキュートは販売された当初こそ、本体価格が100万円前後と非常に高額でしたが、普及に伴って本体価格もぐっと下がってきており、導入のためのハードルが下がっています。本体価格が下がったことで、国の補助金制度は終わってしまったのですが、現在も一部の地方自治体ではエコキュートを導入する際に補助金を出しているところがあります。
また、ほかの給湯器よりも広い設置スペースが必要です。エコキュートは貯湯タンクのほかに、ヒートポンプユニットを設置しなければなりません。ヒートポンプユニットはエアコンの室外機程度の大きさですが、貯湯タンクは高さもあります。庭やベランダなどの屋外で必要なスペースが確保できるかを事前に検討しておきましょう。
置き場所によってはヒートポンプユニットが動作している際の音が騒音と感じることがあります。エアコンの室外機程度の音ですが、低周波音が健康被害や近隣トラブルの原因となるため、これまでにも問題となってきました。特に深夜に稼働させるときには、周囲が静かな環境では音が気になることがあります。隣家の寝室やリビングに面している側には置かないことはもちろん、防振ゴムや防音シート、防音壁などで遮音するなどの対策が必要です。
使用する際にも注意が必要です。エコキュートの場合、お湯が切れてしまうとしばらくの間お湯を使うことができなくなってしまいます。例えば、お風呂のお湯張りの途中でタンクが空になってしまうと、お湯がたまるまでの数時間はお湯を出せなくなることがあります。また、エコキュートの設定によっては日中でも減った分だけお湯を追加してしまい、割高な日中の電気代を使用してしまうので注意が必要です。ランニングコストを抑えるためには、室内のモニターでお湯の量を確認しながら適切なタイミングでお湯をたすように設定しなければなりません。
また、エコキュートのお湯は飲用には向きません。エコキュートは約90℃まで温めたお湯をタンクでためることになるため、水道水に含まれる、カルキなどの消毒成分が抜けてしまっていることから、そのままの飲用には向かないとされています。ただ、裏を返せばカルキの抜けたお湯になっていることで、お風呂のお湯としては肌当たりの良いお湯になっています。料理などで使用する場合は、水道水にするか、煮沸して使えば問題ありません。
旅行などで長期間給湯を使用しないときには、電気代の面からも衛生上の面からもタンクの水抜きが必要になります。水抜き後は0からお湯をためる必要がありますが、エコキュートの設定では何日間使用しないかを設定し、旅行などから帰ってきた日からすぐに使用できるようにもできます。そして、半年に一回程度の定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスでは、タンク内のお湯を勢いよく排水管から流すことで、沈殿した汚れをタンクの外に排出します。水道水に含まれる不純物がタンク内に残ってしまうため、メンテナンスを行わないと水質が悪化し、臭いや汚れ、故障などの原因となります。

デメリットは選ぶもので解消できる

スペースをとってしまうエコキュートですが、エコキュートの貯湯タンクの中には薄型のものもあります。家の広さによっては、貯湯タンクを家の中に設置することも可能です。また、二段架台などを利用すればヒートポンプユニットとエアコンの室外機を縦に並べることもできます。このような工夫をすることで、少ないスペースでも貯水タンクとヒートポンプユニットを置くことができますし、美観を損ねることもありません。お湯切れについては、家族のサイズに合ったタンクの容量を選ぶことで解決できます。メンテナンスに関しては、有償になりますが、エコキュートのメーカーや販売店で行っていることがあります。配管の掃除や普段見ることのできない部分の点検なども行ってくれるので、そのようなサービスの利用を視野に入れておくとよいでしょう。

エコキュートはこんな人におすすめ

エコキュートは、オール電化住宅との相性が非常に良いです。電力会社ではオール電化住宅向けの料金プランを設定しています。このようなプランでは電力需要の少ない夜間・深夜の電気料金を割安にする代わりに、電力使用量の多い日中の電気料金を割高に設定しています。夜間・深夜にエコキュートを動かし、貯湯タンクに湯をためることで、日中の電力使用を抑えることができます。
もちろん、エコキュートを導入する場合、オール電化が必須条件ではありません。例えば、ガス火で調理ができなくなってしまうことを懸念して導入をためらっている人もいるかもしれませんが、ガスはガスレンジなどの調理で使用し、給湯はエコキュートで行うといった使い方もできます。電力会社によっては、オール電化住宅でなくても、夜間・深夜の料金を割安にし、日中の料金を高くするプランを用意しているところもあります。

太陽光発電装置のある住宅に住む人

太陽光発電設備のある家に住んでいる人の場合、日照のある日中の電力は、太陽光から得られる電力で賄えることもあります。エコキュートの電力は、電気代の安い夜間や深夜に多くの電力を使用しますが、太陽光の発電量が多い夏の日中など時期であれば、電力を購入しなくても日中にたし湯ができます。このように、太陽光発電設備のある家は、エコキュートを含めたオール電化生活と相性が良いのです。

家族が多い人

家族の人数が増えるほどに、使用するお湯の量は増えるものです。仮にまとまった時間に入浴するようにしたとしても、シャワーや洗い物など、家族の人数が増えれば、その人数分のお湯を使用することになります。お子さんの成長に伴って生活スタイルも変化し、より多くのお湯を使用するようになるでしょう。お湯を使う量が多いほど、他の給湯器を使った場合の光熱費に差が生まれるため、人数の多い家庭のほうがメリットを享受できます。人数の多い家族に合わせた大容量のタンクもあるので、適切な機種を選べばよりお得な生活ができるようになるでしょう。それに、お子さんやお年寄りと同居している場合、火災やけがのリスクを減らせますし、災害時にもタンクにたまっているお湯を使用できるので安心です。

日中家を空けている人

仕事などで日中のほとんどは家の中にいない人は、日中にたし湯をせざるを得ない状況になりにくく、光熱費を経済的に済ませることができます。このような人はエコキュートに限らず、オール電化の住宅そのものに向いたライフスタイルともいえます。

寒冷地に住んでいる人

寒冷地の冬は給湯器の熱効率が下がるため、その他の地域よりも光熱費は高くなりがちです。また、寒冷地では都市ガスが通っておらず、プロパンガスとなる場合もあります。エコキュートの場合、本体価格が割高になりますが、寒冷地仕様のものを選ぶことで効率よくお湯を沸かせます。寒冷地に住んでいる人がエコキュートを使うと、高くなりがちな冬場の光熱費を抑えることができます。

節電、節約を心がけている人

節約を心掛けた生活を楽しめる人は、エコキュートのメリットを享受しながら楽しく生活ができます。エコキュートで快適に生活するためには、お湯の無駄遣いは大敵です。日中にお湯を多く使用してしまったがために、一日の最後に入ろうとしたお風呂のお湯が足りなくなってしまったり、お風呂のお湯は足りても、シャワーに使うお湯が残っていなかったりというのは、エコキュートに限らず貯湯式の温水タンクを使用したことのある方ならしばしば経験することのある失敗談です。日々の生活でお湯の使用量に気を遣いながら生活することが楽しくできる人であれば、快適かつ経済的に過ごすことができます。

エコキュートの買い換えのタイミングを迎えた人

すでにエコキュートを導入済みで、買い換えのタイミングが近づいている人の場合、本体価格を懸念してガス給湯器を検討する人もいるでしょう。ただ、エコキュートの本体価格は10年前と比べてかなり安くなり、ガス給湯器との価格差も以前よりも小さくなっています。また、10年前の製品と比べると、現在販売されているエコキュートは省エネ性能も向上しているので、ランニングコストはより下がります。エコキュートから別の給湯器に切り替えた場合、改めてエコキュートの長所に気づくことも出てくるでしょう。例えば、寒い時期にストレスなくお湯を使えるのはエコキュートならではの魅力です。

エコキュートを選ぶ時の3つのポイント

家族の人数に合わせてタンクの容量を決める

タンクは1日の生活で使用するお湯の量を考え、少し余裕を持った量がためられるタンクを考えましょう。製品としては300Lクラス(1~2人向け)、370Lクラス(2~4人向け)、460Lクラス(4~6人向け)、550Lクラス(5人以上向け)のものがあり、370Lクラスと460Lクラスのシェアが大きいです。一般的に家族の人数に応じて目安とされる容量が示されていますが、お子さんが小さいうちよりも、成長してからのほうが多くお湯を使う傾向があります。現在の家族の人数だけでなく、耐用年数を考え、10年後の家族構成や生活スタイルなども想定して検討しましょう。

このほか、自炊する率が高い家庭ほど料理・洗い物を含めてお湯を使う機会は増えますし、髪の長い人のほうが短い人よりも洗髪で多くお湯を使うでしょう。自炊の頻度や髪の長さ、入浴のしかたなどもふまえて、タンクの容量を決めるのがポイントです。昨今では、新型コロナウイルス感染症の影響で、家庭で過ごす時間が増え、在宅ワークなど働き方も多様になりました。何より、手を洗う機会が増えました。そのため、あえて大きめの容量のタンクを選ばれる人もいます。

家庭に合った機能を選ぶ

エコキュートにはフルオート機能を搭載したもの、セミオート機能のもの、給湯専用の3種類があります。家族の人数や家族構成を考えて、給湯機能を選ぶことが大切です。3種類のうち最も普及しているのが、フルオート機能のエコキュートです。自動湯はり機能やたし湯、高温さし湯に加えて、お風呂の自動保温や追いだきの機能を持っているのが、フルオート機能の特徴です。自動保温や追いだき機能では、浴槽内のお湯を一度熱交換器のところに戻して温めることで、貯湯タンクの湯を減らすことなく、お風呂の湯温と湯量をキープできます。設置費用もセミオート機能のものと大きく変わりません。
ただし、自動保温や追いだきの機能を使うときには電力がかかります。お風呂のお湯は貯湯タンクとは別の場所を循環させるのですが、配管を傷める恐れがあるため使える入浴剤が限られています。エコキュートの種類によっては、お湯を抜くときなどに配管内の自動洗浄をしてくれるものもありますが、故障などの原因となるため決められた入浴剤を使わなくてはなりません。セミオート機能のものは、自動保温と追いだきの機能を持たないもので、自動湯はり機能やたし湯、高温さし湯の機能はあります。お風呂がぬるくなってしまったときは、たし湯や高温さし湯をすることで湯温を上げることができます。貯湯タンクの湯量が減ってしまいますが、電力を使わないため、ランニングコストを抑える効果が期待できます。
ただ家族の人数が多い場合、別々の時間帯に入浴しようとすると、お風呂を温め直すために都度タンクの湯量を減らすことになってしまいます。給湯専用のものは、お風呂の蛇口をひねってお湯を出すタイプのもので、自動湯はり機能がなく、時間を見てお風呂の蛇口を閉めなくてはなりません。最もシンプルな機能しかないタイプですが、設置費用は3種類の中で最も安くなります。お風呂を温め直す際には、蛇口をひねってお湯をたします。高温さし湯の機能がないため、3種類の中で最も水道代がかかります。また、他の2種類にはついているチャイルドロック機能はありません。家族の人数が少ない場合や、お年寄りだけの家庭で、液晶モニターの使い方が難しい場合などに向いています。

お住まいの地域に合わせた仕様を選ぶ

エコキュートには標準仕様のもののほか、寒冷地仕様、塩害地仕様があります。冬の外気温がマイナス10度を下回る地域では、寒冷地仕様を選ぶ必要があります。標準仕様のものでも、ヒートポンプユニットや水道の配管が凍結しないように設計されていますが、外気温がマイナス10度を下回る地域ではお湯を効率よく作れなくなりますし、配管が凍結し、ヒートポンプユニットがうまく動かなくなる恐れが生じます。寒冷地仕様のものは貯湯タンクに凍結防止ヒーターが備え付けてあったり、配管まわりに特殊な断熱材を巻いたりしています。このほか、降雪の多い地域では貯湯タンクとヒートポンプユニットの上に防雪シートをのせて積雪対策を行います。もちろん、ヒートポンプユニットの前に雪が積もらないようにする対策も必要です。
海の近くに住んでいる場合は、塩害地仕様を選びましょう。海の近くとは、潮風が届く地域です。このような場所では空気中に塩分を含んでいるので、他の地域と比べると金属部品が腐食しやすいという特徴があります。一般的に海からの距離が300mから1kmの場所に設置するときには塩害地仕様の製品を選ぶことになります。塩害地仕様のエコキュートはヒートポンプユニットや貯湯タンクの外板や電子基板などに、特殊な防さび・防腐処理を施しています。
海から半径300m以内の場所にお住まいの場合には重塩害地仕様(耐重塩害仕様)を設定しているメーカーもありますので、海に近い地域に住んでいる人は注意して機種選定を行いましょう。また、直接海水が機械にかからない場所に、ヒートポンプユニットや貯湯タンクを設置する必要があります。なお、塩害地仕様のエコキュートは注文を受けてから生産をするのが一般的なので、設置工事までに3カ月程度待たなくてはなりません。また、北海道や東北地方の沿岸に住んでいる人は、寒冷地仕様と塩害地仕様を組み合わせたものを使うこととなります。(納期までの期間については、メーカーによって異なります。)
少ないエネルギーで効率よくお湯を沸かせるエコキュートは、月々の光熱費を抑えることができるのが何よりの強みです。エネルギーの使用量そのものを抑えられるため、季節やエネルギー価格の影響を受けにくく、家計の助けとなるでしょう。また、環境負荷が少なく、節電や節水意識を高めることもできるため、次世代型の給湯器といえるでしょう!

まとめ

いかがでしょうか?少しでもエコキュートの事について理解頂けたら幸いです。
何かわからない点がございましたら、弊社、中日設備にお気軽にお電話下さい。