
給湯器の交換や新規導入を検討していると、
- エコキュートと灯油ボイラー、どっちを選べばいいの?
- どっちがお得なの?
- 導入の費用はどれくらいかかるの?
という疑問を持つことがあります。
そこでこの記事では、エコキュートと灯油ボイラーを初期費用・ランニングコスト・耐用年数といった5つの視点から、両者のメリットデメリットを比較しています。
2026-01-04
目次
エコキュートと灯油ボイラーの基礎知識

エコキュートと灯油ボイラーの仕組み
エコキュートは、空気中の熱をヒートポンプで集め、その熱を使ってお湯を沸かします。
大気中の熱を利用するため、使用する電気エネルギーに対して約3倍以上の熱エネルギーを生み出すことができ、非常に高い省エネ性を実現できるのです。
またコンプレッサーを動かすために電気を使いますが、深夜の安い電力を活用してお湯を沸かすため、電気代を抑えることができます。
一方の灯油ボイラーは、灯油を燃料として燃焼させ、その熱でお湯を沸かします。
灯油の燃焼熱を利用するため、非常に短い時間で大量のお湯を沸かすことができ、瞬間的に使用する湯量を供給することに優れています。
また、寒冷地でも安定した給湯が可能で、設置場所の自由度も高いのが特徴です。
しかし、燃料費が灯油の市場価格に左右されたり、灯油タンクへ定期的に給油する必要もあります。
どんな家庭・物件に向いている?設置場所・スペース・地域条件の違い
エコキュートと灯油ボイラーのどちらを選ぶかは、自宅の環境や立地条件によって大きく変わります。
エコキュートが向いているのは、設置スペースが確保できる戸建て住宅です。
というのもエコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットという2つの機器を屋外に設置する必要があるからです。
また、深夜の安い電力を使うため、家族の人数が多く、夜間や早朝にお湯を使う頻度が高い家庭や、オール電化を検討している家庭にも最適です。
灯油ボイラーを導入する場合も、灯油タンクの設置が必要となりますが、エコキュートほどの広さは必要ないでしょう。
また灯油を燃料とするため、電気の契約プランに左右されず、短時間に高温のお湯がたくさん必要な家庭に向いています。
ただし、給油の手間や灯油を保管する際の臭いなどが気になる場合はオススメできません。
種類・方式の違いと主なメーカー
エコキュートは、フルオート・オート・給湯専用の3タイプに分かれます。
「フルオート」は追い焚き・足し湯・保温までを全て自動で行い、「オート」は追い焚きが手動で足し湯の機能がなく、「給湯専用」はお湯のみを供給してくれるタイプです。
そのため、オートかフルオートの人気が高くなっています。
主要メーカーは、パナソニック・三菱電機・ダイキン・コロナ・日立などがあり、それぞれ独自の省エネ技術や便利な機能を搭載しています。
灯油ボイラーは、直圧式と貯湯式の2つに分けられます。
「直圧式」は水道の圧力をそのまま利用するため、水圧が強く快適にシャワーを使用できますが、貯湯式に比べて本体価格が高めになる傾向があります。
「貯湯式」は一度お湯を貯めてから使用するため水圧は直圧式より劣りますが、比較的安価で導入できます。
主要メーカーは、ノーリツ・コロナ・長府製作所などがあり、高効率なエコフィールという機種も各メーカーが販売しています。
参考までに、エコフィールは排気熱を回収・再利用して熱効率を高めた給湯器のことです。
エコキュートと灯油ボイラーを5つのポイントで比較

初期費用と設置工事費
初期費用の目安を比較する表を作りましたので、参考にしてください。
| 比較項目 | エコキュート | 灯油ボイラー | 初期費用のポイント |
|---|---|---|---|
| 本体価格 | 30~80万円 | 15~40万円 | 機能や貯湯容量、高効率モデルによって価格帯が大きく異なる |
| 工事費用 | 10~30万円 | 5~15万円 | 設置場所の土台工事、電気配線工事、給湯管工事などが必要となり、電気工事の有無で変動する。 |
| 合計相場 | 40~110万円 | 20~55万円 | エコキュートは初期費用が高額になりやすいが、補助金制度で実質的な負担を軽減できることが多い。 |
このように、エコキュートと灯油ボイラーでは、初期費用にかなりの差があるため、灯油ボイラーの方が導入のハードルは低くなります。
ランニングコスト
ランニングコストの目安となる比較表を作りましたので、参考にしてください。
| 比較項目 | エコキュート | 灯油ボイラー |
|---|---|---|
| 毎月の光熱費 | 2,000~5,000円 | 4,000~8,000円 |
| 燃料代 | 電気代(深夜割引適用) | 灯油代(市場価格に左右) |
| 年間のコスト差 | 灯油ボイラーと比較して、年間約3~5万円程度の節約が可能 | 灯油価格の高騰時にはコストが増える可能性がある |
長期的に見ると、エコキュートの方がランニングコストを抑えやすい傾向があります。
エコキュートは初期導入費用が高額ですが、ランニングコストを抑えられるので、灯油ボイラーとの初期費用の差を回収することも可能です。
耐用年数・災害時の使用
エコキュートの耐用年数は10~15年、 灯油ボイラーの耐用年数は8年~10年とされています。
エコキュートは、貯湯タンクの掃除や逃し弁・水抜き栓の確認を行ったり、専門業者による定期的なメンテナンスを行うことで、寿命を延ばし、突発的な故障を防ぐことができます。
灯油ボイラーも同様に、定期的な燃焼部の清掃をしたり、必要に応じて消耗品の交換をすることで長期的に使用できます。
災害や停電時の使用ですが、エコキュートはヒートポンプが動かないためお湯を沸かせません。
しかし、貯湯タンクに残っているお湯や水は、非常用取水栓から取り出して生活用水として利用できます。
一方、灯油ボイラーは、電気を一切使わないタイプや、乾電池で動くタイプがあり、停電時にも給湯が可能な場合があります。
寒冷地での使用や床暖房
数年前までエコキュートは、寒冷地仕様モデルが限られていたため、外気温がマイナスになる地域での導入には、少々不安がありました。
しかし現在は、寒冷地仕様モデルが多数開発されており、マイナス20℃程度の厳しい環境でもお湯を沸かすことが可能です。
また、床暖房に対応しているエコキュートもありますが、一部のメーカーから特定のモデルしか販売されていないため、選択肢が限られてきます。
灯油ボイラーは、寒冷地でも安定してお湯を供給できます。
床暖房対応の機種はありますが、給湯と暖房の両方に燃料を使うため、灯油の消費量が増え、ランニングコストが上昇します。
環境への影響
エコキュートのメリットの一つは、非常に高い省エネ性とCO2排出量の少なさです。
空気中の熱を利用するため、電力だけでお湯を沸かすよりも格段に効率が良く、地球温暖化の原因となるCO2の排出量も削減できます。
一方の灯油ボイラーは、灯油を燃焼させるためCO2が排出され、環境への負荷はエコキュートよりも大きくなります。
しかし、高効率な「エコフィール」などの機種を選べば、従来のボイラーよりも環境負荷を抑えることが可能です。
交換・併用・切り替えを検討する場合のポイント

灯油ボイラーからエコキュート、エコキュートから灯油ボイラーへの交換
灯油ボイラーからエコキュートへ交換する方は多く、交換を決めた理由の大半は、ランニングコストの大幅な削減です。
交換の際は、貯湯タンクとヒートポンプの設置場所の確保、200Vの電気配線工事が必要になるなど、大掛かりな工事が必要となるほか、灯油ボイラーの配管撤去や、新しい電気配線のために、工事費用が高くなる傾向もあります。
しかし、一度交換が完了すれば、毎月のランニングコストは抑えられるので、数年後には工事費用を回収し、トータル的にお得になることが多いです。
それとは逆に、エコキュートから灯油ボイラーへ交換する場合、深夜電力の恩恵が受けられなくなるため、ランニングコストが大幅に上昇する可能性があります。
灯油ボイラーの設置場所は、もともとエコキュートを設置していた場所で問題ありませんが、電気配線の撤去、灯油ボイラー本体の設置、そして灯油タンクを新設する工事が必要です。
オール電化住宅・ガス給湯器・灯油ボイラーとの比較
3つの給湯器の比較表を参考に、それぞれの特徴を把握すると、どの給湯器が自分に合っているかを判断しやすくなります。
| 比較項目 | エコキュート | ガス給湯器 | 灯油ボイラー |
|---|---|---|---|
| エネルギー源 | 電気 | 都市ガス/LPガス | 灯油 |
| ランニングコスト | 最も安い(深夜電力利用) | 中間(ガスの料金プランによる) | 高め(灯油価格に左右) |
| 初期費用 | 高い | 中間 | 比較的安い |
| 向いている家 | オール電化、省エネ志向の家庭 | 都市ガスエリア、瞬間湯沸かしを重視する家庭 | 都市ガスがない地域、灯油の備蓄に抵抗がない家庭 |
この比較表からもわかるように、オール電化住宅ならエコキュート一択となります。
ガス給湯器の高効率モデルであるエコジョーズは、排熱を利用して熱効率を高めた製品ですが、ランニングコストではエコキュートに軍配が上がります。
灯油ボイラーの高効率モデルであるエコフィールは、従来の灯油ボイラーよりコストを抑えられますが、灯油の価格に左右されるでしょう。
補助金・助成金の最新動向と申請手続き

2025年も昨年同様、エコキュートに対する国の補助金制度が継続され、最大13万円の補助金が交付されています。
※2025年12月で、2025年度の補助金は終了しましたが、2026年もエコキュートの補助金が継続されることになっています!詳しくは「【2026年も継続決定!!】エコキュート補助金の最新情報と経緯」をご覧ください。
同じくガス給湯器のエコジョーズも、⾼効率な給湯を実現しているため、最大15万円の補助金が交付されています。
この他、各自治体でも、さまざまな補助金や助成金制度が設けられているため、最新情報をチェックして、補助金を有効活用しましょう。
補助金の申請は、制度によって申請時期や期間、必要書類が細かく規定されていますが、設置工事の前に申請が必要なケースが多いため、手順を必ずチェックしましょう。
また、エコキュートの設置業者が補助金の申請をサポートしてくれる場合も多いため、依頼する業者に確認するとよいでしょう。
最適な給湯器を選ぶための判断基準と注意点

ライフスタイル・家族構成・物件タイプ別の選択ポイント
ここでも、各ポイントに合わせた比較表を作りましたので、最適な給湯器を選ぶ参考にしてください。
| 項目 | エコキュートが有利 | 灯油ボイラーが有利 |
|---|---|---|
| 家族構成 | 4人以上の家族 | 1人暮らし、またはお湯を瞬間的に使う頻度が高い |
| ライフスタイル | 深夜~早朝にお湯を使うことが多い | お湯を大量に、かつ連続して使いたい |
| 物件タイプ | 設置スペースの確保が容易な戸建て、オール電化 | 設置スペースが限られる住宅、配管工事が困難な場合 |
| 重視する点 | ランニングコスト、省エネ、環境性能、長期的な安心感 | 初期費用、瞬間湯沸かし能力、災害時の対応力 |
設置・施工時の注意点と専門業者に依頼する際のポイント
エコキュートの貯湯タンクは満水になると重さが数百kgになるため、設置場所の地盤がしっかりしているかを確認することが重要です。特に新規でエコキュートを導入する際の地盤チェックは欠かせません。
また、騒音対策として、隣家との距離を考慮したヒートポンプユニットの配置も必要です。
専門業者に依頼する際は、以下のポイントをクリアしている優良な業者を選ぶようにしましょう。
- 愛知県での施工実績が豊富か:地域特有の設置条件や電力会社の契約に詳しいか
- 明確な見積もりを出してくれるか:本体価格、工事費、オプション費用が明確に記載されているか
- アフターフォロー体制は万全か:1年間に1度のメンテナンスや故障時の無駄のない一次対応など、導入後のサポートが充実しているか
- 補助金申請のサポートをしてくれるか:手続きを代行・サポートしてくれるか
【まとめ】エコキュートと灯油ボイラーはどっちがいいの?
この記事では、エコキュートと灯油ボイラーのどちらがいいかを、初期費用・ランニングコスト・耐用年数など5つのポイントで比較してきました。
内容をまとめると
・エコキュートが向いている方:ランニングコストを最優先し、初期費用は補助金で賄いたい方。オール電化や太陽光発電の導入を検討されている方。長期的な安心感と手厚いメンテナンスを求める方。
・灯油ボイラーが向いている方:初期費用を徹底的に抑えたい方。瞬間的な湯量を重視する方。電気への依存を避けたい方。
となります。
エコキュートや灯油ボイラーの違い、エコキュートを導入する前の相談など、ご不明な点がある場合は、中日設備にご連絡ください。


